
世界水素エネルギー会議
近年のエネルギー問題でクローズアップされているのが水素エネルギー。燃料電池の実用化に向けて世界各国で実証実験や技術開発が進んでいます。このような中で水素の最新技術に関する情報交換等を目的としたものがこの世界水素エネルギー会議です。各国の商品化を目指した取り組みや、現在注目される燃料電池自動車としての開発について国際的な技術開発の促進に大きく貢献いたします。
国際水素エネルギー会議
国際水素エネルギー会議は国際水素エネルギー協会(International Association for Hydrogen Energy:IAHE)により運営されており、創立1973年からの古い歴史を持っています。今、石油に変わる燃料として世界が注目しているクリーンエネルギーである「水素」について将来的に主要なエネルギー手段となる日を目指し活動をしている協会です。
この目標に向け、講習会、カンファレンス、広報活動や国際的ワークショップ、水素エネルギー分野の情報交換などを積極的に展開しています。水素の情報交換をする場として、2年に一度、「世界水素エネルギー会議」を各国の水素エネルギー協会と共催しています。2006年はフランス・リヨン(2006年6月13日?16日)で「第16回世界水素エネルギー会議」を開催、世界46の国・地域から約1,000人の科学者、研究者、政府関係者、企業人等々が参加しました。
世界水素エネルギー会議とは、水素エネルギーについてのみ発表・討議する世界最大の国際会議です。最近の開催地は1998年中国、2000年ブラジル、2002年カナダ、2004年日本横浜でした。
フランス・リヨンでの会議には世界より32ヶ国が参加しました。日本はフランス、アメリカに次いで公演回数が多く行われいます。
公演回数の多い順
1.フランス
2.アメリカ
3.日本
4.ドイツ
5.カナダ
6.イギリス
7.中国
8.ノルウェー
9.イタリア
10.オーストラリア
発表セッション一覧
- 1.水素製造
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熱化学処理、水の電気分解、炭化水素改質、水素発酵、バイオマスガス化、藻類の光生物処理、 光化学処理、自然再生エネルギー(風力、太陽光、地熱ほか)利用
- 2.水素貯蔵
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圧縮水素、液化水素、水素貯蔵合金、有機ハイドライド、ナノ構造カーボン、新材料
- 3.水素輸送・供給
水素ステーション、インフラストラクチャー、パイプライン、高圧タンクシステム
- 4.燃料電池
車載用、定置用、携帯用、被毒、経時劣化、固体高分子形ほか各種燃料電池
- 5.内燃式エンジン
ローターリーエンジン、ガスタービン、ガソリン、ディーゼル併用型、バイブリットシステム
- 6.安全性・教育訓練
燃料補給、水素タンクシステム、反応制御システム、水素センター、安全教育プログラム
- 7.実証試験・評価
都市交通、通信用電源、風力・太陽光利用、改善触媒開発、地域利用、環境製評価
- 8.新規構想・展開
各国における水素エネルギープロジェクト構想と展開、環境への影響に関する展望
水素
水素とは、原子番号 1 、原子量1.00794の元素。元素記号で一番最初に覚える元素記号として知られています。元素記号は Hで非金属元素のひとつです。元素およびガス状分子の中で最も軽く、また宇宙で最も数が多い原子と知られています。
珪素量を106とした際の比率は2.79×1010。地球上では水や有機化合物の構成要素として存在しています。
- 一般的に「水素」という場合は、水素の単体である水素分子(水素ガス)H2 を示すことも多い。水素分子は常温では無色無臭の気体で、とても軽く、非常に燃えやすいといった特徴を持っています。高圧ガス保安法容器保安規則により、水素は赤いボンベに保管するように定められています。



水素は電気陰性度が 2.2 であり、酸化剤としても還元剤としても働く。このため非金属元素とも金属元素とも親和しやすい。例えば、水素と酸素が化合するときには還元剤として働き爆発的な燃焼と共に水 H2O を生じる。ナトリウムと水素との反応では酸化剤として働き、水素化ナトリウム NaH を生じる。このような水素と他の元素が化合した物質を水素化物といいます。。
水素化物の結合には、イオン結合型・共有結合型の他に、パラジウム水素化物などの侵入型固溶体(侵入型化合物)と呼ばれる三種類の形態がある。イオン結合型の化合物の中では、水素は H− イオン(ヒドリドイオン)として存在する。共有結合型は電気陰性度が高いPブロック元素と電子を共有して化合する。侵入型固溶体は一種の合金であり、水素原子は金属原子の隙間にはまり込むように存在している。このため、容易かつ可逆的に水素を吸収・放出することが出来、水素吸蔵合金に利用される。なお、高性能な水素吸蔵合金中の水素原子の密度は、液体水素のそれに匹敵する。
一方、より電気陰性度の大きい元素との化合物では水素は H+ イオンとなる。水中で水素イオンを生じる物質が狭義の酸である。水溶液中では水素イオンは H3O+(オキソニウムイオン) として振舞う。
水素はまた、炭素と結合することで、様々な有機化合物を形成する。ほとんど全ての有機化合物は構成原子に水素を含む(下に例を示した)。
メタン (CH4)
エタノール (C2H5OH)
ベンゼン (C6H6)
おもな元素の水素化物の化学式とIUPAC組織名、および(存在するものは)慣用名を上表に示しています。
期待される今後の水素の役割
- 水素エネルギーは今後、より小さなバッテリー、車両エンジン、住居の発電や大きな発電所に代わることのできる電力を、水素エネルギーから作り出すことができると期待されています。水素エネルギーは何よりもクリーンな事で知られ、世界中に走る自動車の3割が水素エネルギーに変われば排ガス問題と環境汚染問題を大幅に解決できるとも言われています。
- 水素エネルギーを使用しての水素自動車は既存のガソリンエンジンやディーゼルエンジンを改良して直接燃焼を行うものと、燃料電池により発電するタイプがあります。燃料電池により発電すタイプのものは燃料電池自動車として別な枠で扱うことが一般的です。
- スペースシャトルのメインエンジンの燃料にも液体水素が使われています。1機を打ち上げるための燃料は150万リットル使用します。
- 水素自動車開発史
- 水素の自動車開発史は古く40年前から行われてきました。日本国内では1970年代から
武蔵工業大学(現在の東京都市大学)の古濱庄一教授の下で市販のレシプロエンジンの改造で研究が始められました。 - 1990年代からマツダとBMWが既存のエンジンを改良する形で水素燃料エンジンの開発を進めている。
2006年、水素エネルギー開発研究所が水素と水を燃料とするエンジン(HAWエンジン)を開発し、世界35カ国で特許を取得。
2009年、広島市にマツダ・RX-8水素エンジン搭載車が納入される。マツダはフォードと提携している。 - 日本での水素燃料エンジンの運転は1970年、武蔵工業大学(現在の東京都市大学)が日本で初めて運転を成功させました。さらに、1974年に同大学は水素エンジンを搭載した日本初の水素自動車の試作とデモ走行を実施し成功させました。武蔵工業大学(現在の東京都市大学)は、これまでに10台の水素自動車を次々に開発、試作しており、開発した車両の中には日産・フェアレディZ(Z32)を改造した「武蔵8号」やトラック(日野・レンジャー)を改造した
「武蔵7号」「武蔵9号」などがあります。
1997年12月に行われた地球温暖化防止に関する京都国際会議(COP3)に最新の「武蔵10号」は出展されました。これは日産・アベニールをベースとした実用車で、燃料は液体水素を使用しており実用レベルに匹敵する100リットルのタンクを搭載しています。
スペックは4サイクルエンジン、ターボ過給、着火及び燃料噴射方式は、火花点火、電子制御低圧吸気管間欠噴射方式。最高時速150km、走行距離は300km。これは市販されているガソリンエンジンと比べても見劣りしない計測結果である。現在は国家プロジェクトである「次世代低公害車開発促進プロジェクト」に参加し、フル電子制御エンジンの研究開発を行っています。
また同大学は2009年4月3日、日野自動車の協力で、水素燃料を活用した水素燃料エンジンバスの開発に成功したと発表。大気汚染原因物質である窒素酸化物や二酸化炭素をほとんど排出しない環境対応バスとして普及拡大が期待される。日本自動車研究所の技術審査に合格し、水素燃料バスとして日本で初めて公道走行を可能にした。窒素酸化物排出量は
従来のディーゼルエンジンに比べて約90分の1程度にまで抑えられており、またCO2はまったく排出しないのが最大の特徴である。
- 水素燃料エンジンバスの仕様概要
ベース車両: 日野・リエッセ
エンジン型式: 直列4気筒予混合火花点火式水素エンジン(J05D、排気量:4,728cc、ターボチャージャー併用)
最大出力: 105kW(145PS)/3000rpm
最大トルク: 350Nm/2000rpm
航続距離: 約200km - 海外の水素自動車を作るメーカー
- ・BMW
BMWは7シリーズをベースとして、水素とガソリンの双方を燃料に使用できるV12気筒レシプロエンジンを搭載した750hLを開発した。燃料として液体水素を使用したときの走行距離は約350kmである。 
・フォード
2001年、試験車両を発表したが詳細は未定。- 水素自動車の今後の課題
- 電気自動車とガソリン車とのハイブリット車が一般家庭に復旧しつつある現代、水素自動車は影に隠れる形となっているが、Co2排出がまったくされない水素自動車は地球にも環境にも良い未来の乗り物には間違いないのです。普及に当たって支障となる水素の取り扱いに関する問題点は燃料電池自動車と共有するものであることから、この点に関しては燃料電池車と歩調を合わせて開発、普及が進展してゆくものと考えられる。
- また、水素自動車には既存のエンジン技術を応用できる大きなメリットがあり、コストの面でも有利に働いている。ガソリンエンジンを使って加速するというモーターでは得られない内燃機関独特の走行感は、燃料電池自動車とは違うマーケットを形成できるものとも言われている。

- これらの点に加え、触媒にレアメタルを使用する燃料電池を搭載しなければならない燃料電池自動車に対し、水素自動車は従来のエンジンを改良する利点がある為、圧倒的にコストが安価に仕上がるという利点もある。そのため、マツダが開発した水素とガソリンのハイブリッド自動車(RX-8 ハイドロジェンRE)の価格は、従来車よりも100万円程度高いもので済むと予想されています。
- 水素燃料のタンクについての課題
- 水素は気体水素の密度がたいへん低く、高密度貯蔵が困難であることから、従来のガスタンク内圧(15 MPa程度)を大きく超える高圧タンクが開発されています。現在は炭素繊維複合材にアルミ合金ライニング(内張り)を施した35 MPa級高圧タンクが各所で開発され、燃料電池自動車で実用試験に供されている。DOE(アメリカ・エネルギー省))の試算によると、ガソリン車と同程度の走行距離を得るためには70 MPa級の高圧タンクが必要とされており、各研究開発機関がこの要求値を満たすタンクの開発をすすめている。
- これらのタンクはいずれも極めて高圧の水素をガソリン程度の安全性を維持して貯蔵する必要があるため、安全性保証のために、水素充填時のタンクをライフルで撃つガンファイアテストなどをクリアする強度を持たなければならない。このような貯蔵密度の問題を回避するために、BMWとGM、そしてGM傘下のオペルは液体水素タンクを開発し、実用評価を行っている。液体水素は極低温であるために、断熱対策が万全でないと貯蔵されている水素が気化する。
- BMWは、貯蔵開始後からボイルオフが始まるまでの時間を3週間程度まで延ばすことに成功しているが、事故などでタンクが破損した場合の危険性は決して低くはないと思われる。水素吸蔵合金の性能が向上すれば、低圧で比較的穏和な水素供給が可能なタンクが開発されると考えられているが、現状では、吸蔵放出温度、吸蔵放出速度、吸蔵放出時の反応熱のやりとり、合金質量などの点において未解決の問題点が多い。
- 水素以外の燃料で走る車
- 水素以外の燃料で走る車としてはエタノール、メタノール、液化天然ガスなどの燃料が上げられる。アルコール系燃料は技術的ハードルが低く、ブラジルでの普及やモータースポーツでの使用などもあり、安全性やインフラなどの技術も確立している。水素燃料はまったくCo2を出さないという環境面でのメリットがあるが、前述のように非常に沢山のデメリットがあり、それらが実用化を妨げているのが現状。
水素の歴史
- 分布
- 水素は宇宙で最も豊富にある元素です。実に宇宙の質量の3/4を占め、総量数比では全原子の 90% 以上となります。宇宙はほとんど水素でできていると言っても過言ではないでしょう。地球表面の元素数では酸素・珪素に次いで三番目に多いく、質量パーセントで表すクラーク数では9番目となります。水素のほとんどは海水の状態で存在し、単体の水素分子状態では天然ガスの中にわずかに含まれる程度で、地球の大気中には 1 ppm 以下とほとんど存在していません。宇宙が誕生してから約38万年後に初めて出来たとされている水素原子。それまでは陽子と電子がバラバラのプラズマ状態で光は宇宙空間を直進できず、電子と陽子が結合することにより宇宙空間をスムーズに進めるようになった。これを宇宙の晴れ上がり現象といいます。
- 同位体
- 水素には、水素(軽水素)1H 、重水素 2H (デュウテリウム、ジューテリウム、略号D) 、三重水素 3H (トリチウム、略号T)の3つの同位体が知られています。このうち、最も軽いとされる1H は、1つの陽子と1つの電子のみによって構成されており、原子の中で唯一中性子を持ちません。それぞれの同位体は質量の差が2倍・3倍となり、性質の違いも大きい。例えばD2はH2よりも融点や沸点が高くなり、溶融線熱は倍近くに、蒸気圧1/10近くとなる。2007年現在、同位体は七重水素までが確認されている。七重水素(原子核は陽子1、中性子6よりなる)は重陽子を光速の3割まで加速してヘリウム8に衝突させて得られている。質量数が4以上のものは寿命が極めて短く、たとえば七重水素では10ゼプト秒ほどしかありません。
- 水素分子
- 水素分子は、常温常圧では無色無臭の気体として存在する、分子式 H2 で表される単体である。分子量2.016、融点 −259.2 ℃(常圧)、沸点 −252.6 ℃(常圧)、密度 0.0899g/l、比重 0.0695(空気を1として)、臨界圧力12.80気圧、水への溶解度0.021ml/ml水(0℃)。最も軽い気体である。原子間距離は 0.074 nm、結合エネルギーはおよそ 104 kcal/mol。
金属水素
- 高い圧力下において金属化すると考えられている水素は、実際に1996年にローレンス・リバモア国立研究所のグループが、140GPa(1GPa = 約1万気圧), 数千℃という状態で、100万分の1秒以下という短寿命ではあるが、液体の金属水素を観測したと報告している。しかしながら、2006年現在、数百GPaのオーダーで圧力を加える実験が行われているものの、固体の金属水素の観測はされていない。
励起状態の水素が金属化すると極めて強力な爆薬になるとの理論計算が行われ、電子励起爆薬として研究されている。この理論では圧力だけでは不十分であり、水素を励起状態にして圧力をかければ金属化するとしている。 - 代表的な用途
- 原料 - アンモニアの製造(ハーバー・ボッシュ法)の他、塩素ガスと混合し光を当てて反応させる塩酸の製造、油脂に添加して炭素同士の二重結合数を減らし固体化する改質(トウモロコシ油や綿実油のマーガリン化など)、脱硫など、多方面に利用されている。
還元剤 - 金属鉱石(酸化物)の還元、ニトロベンゼンを還元しアニリンの製造、ナイロン66製造におけるベンゼンの触媒還元、一酸化炭素を還元するメチルアルコール合成などに使われる。
燃料 - 燃やしても水以外の排出物、例えば、粒子状物質や二酸化炭素などの排気ガスを出さないことから、代替エネルギーとして期待されている。ただし、燃焼条件により窒素酸化物が生成する場合はある。内燃機関の燃料として水素燃料エンジンを積んだ水素自動車が発売されている他、ロケットの燃料や燃料電池に使用されている。
上記で述べたように、水素ガスの生産は原料を化石燃料に依存しており、水蒸気改質により発生する一酸化炭素などのうち化成品に利用されない過剰分や燃料として利用される炭化水素は二酸化炭素として環境中に放出される。水素の原料が化石燃料である限りにおいては、水素を化石燃料の代替として利用してもそのまま化石燃料の消費量が削減されたり二酸化炭素の発生が抑えられたりすることにはならない。 - 参考文献/wikipedeia
